これからの日本歯科臨床を考察する①
すでに5年くらい前からほとんど保険診療はしていなかった。
医院に複数の歯科医師が所属しているという環境がそのような状態を可能にしていた。
副院長(当時)と勤務医の先生が保険希望の患者さんを担当し、
私は難易度の高い全顎治療を希望される患者さんやインプラント治療、セラミックス修復を希望される患者さんの根管治療(これは保険で診療し請求もしていた)と修復治療を主に行っていた。
メタルクラウンとかメタルインレーはいつからセットしてないかもう覚えていない。
逆に急患当番に近いこともやっていた。(一番早く終わらせることもできるから)
付き合いの長い患者さんにも言われる。
『どうせ保険診療はほとんどしてなかったんだし、わざわざ保険医を辞めなくても大して変わらなかったんじゃないの?』と。
自由診療だけの診療をしているDrであったとしても、
①保険医のまま非保険医療機関で診療しているDrと、
②保険医のまま保険医療機関で診療しているDrに分かれるらしい。もちろん、
③非保険医で非保険医療機関で診療しているDrもいらっしゃるのだろうが。
④非保険医で保険医療機関で診療しているDrは日本で何人いるのだろう。
日本の歯科医師99.9%は保険医で、それだけ非保険医は珍しい。
悪さをして資格を取り上げられるヒトはいるだろうが、そんなヒトとは別にしていただきたい。(笑)
知り合いの先生たちに『すごい自信だ』とか『勇気がある』とか言われたがそんなことはない。
明日どうなるか分からず不安な毎日。
でも社会人はみんな一緒だ。そうだろう?
逆にみんなそんなに自信なく診療しているのか?
やることはたった一枚の紙切れを提出するだけだ。
誰にでもできる。
スタッフにもよく言う。
大切なことはできるか、できないかじゃない。
やるか、やらないかだ。
『おめでとう』とまで言われた。日本の歯科医師にとって保険医とは一体何なんだ。
私は今回④の道を選んだ。
医院の管理者である院長を代わってくれたカミさんがいるからできたとも言えるのだが、
医療法人にして保険医を雇用しさえすれば歯科医師誰もがその選択は可能だろう。
私が①〜④の中から④の道を選んだのには3つの理由がある。
なぜ保険医を辞めたのに保険医療機関で働くのか?
1、自分と患者のため
2、日本人であること
3、将来の日本人歯科医師のため
さあ、それぞれ説明していこうと思う。
誰が知りたいんだという事柄だが伝えなければ見えない事だし、せっかくなのでおつきあい願いたい。