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なんのために矯正治療をするのか

厚労省と日本歯科医師会は『80歳で20本の歯を残そう』という目標を掲げています。

 

8020達成率は運動開始当初の30年前は7%程度(平均残存歯数4〜5本)でしたが

2017年の歯科疾患実態調査では達成者が51.2%(平均残存歯数17本)になっています。

 

8020達成者は20歳代正常咬合者に劣らぬ咬合力、咬合接触面積、咬合圧力を示す、と言われている。

 

しかし8020を達成していても、現在歯数及び連続欠損部の義歯修復などにより影響を受けるので、

咬合力を維持し、優れた口腔機能を発揮するためには8024を達成することが重要なのです

(2005『Dental Prescaleを用いた8020達成者の咬合調査』東京歯科大学矯正歯科講座)

 

その文献の中で8020達成者の咬合分類を行っている。

母数は52人と少ないが意義のある統計であろう。

 

8020を達成した人の噛み合わせを調べると

反対咬合(受け口)の人はいないし、

開口(オープンバイト)の人もいない。

 

つまり、反対咬合や開口では80歳の時に20本の歯が残らないとも取れる。

 

 

この分類から骨格もしくは歯のポジションに問題のある患者は治療を繰り返し歯を喪失している可能性が高い。

逆に言えば上下顎前歯の位置を正常にすることが歯を守るために重要な治療であるということが言える。

 

日々の臨床で噛み合わせに問題のある患者が非常に多い。

噛み合わせに問題の無い人は歯科の問題が起こりにくいのだ。

 

噛み合わせを考慮した治療で矯正治療が必要なのは審美目的ではない