根管治療後の支台築造は直接法か間接法か?
根管治療後には補綴修復治療が必要になることがほとんどである。
補綴修復治療(全部被覆冠)に先立ち、喪失した歯質を補うために支台築造を行う。
そもそも支台築造とは
①根管治療を行った歯の根管を口腔内から細菌感染しないように封鎖することと
②補綴物の保持力と安定性を高めるために必要な土台部分になる修復治療のことである。
私は築造するのはメタルでもレジンでも良いと考えているが
シビアな審美性を求めない患者ならば
補綴専門医はレジンの吸水性や柔らかさを理由にメタルの支台築造を選択するのかもしれない。
私がレジン築造を選択するのが多いのは感染防止の面からである。
メタルでの支台築造は間接法にならざるを得ず、
印象採得時をはじめ根管内が唾液にさらされる。
レジンでの支台築造のメリットは審美性や金属アレルギー予防、
金属を使わないことによるコストダウンなどの優先順位は低く、
歯質の保存と根管内をバクテリアから感染予防することの方が重要だと考えている。
せっかく無菌的な根管治療をしたとしても
支台築造時にバクテリア感染しては元も子もない。
直接法でなく間接法で支台築造する場合にも
根管充填材がガッタパーチャの場合はその上をセメントかレジンで封鎖しておくべきだ。
当然ラバーダム防湿下で。
そうする事で根尖部への細菌の漏洩を少しでも抑えることができるだろう。
根の治療が終わって痛くないからと中断することがどんなに危険なことか。