むし歯は何処まで削ればいいのか①
むし歯は何処まで取ればいいのか①
むし歯は歯の硬組織を破壊し続け、放置しておくと歯が無くなるまで進行する病気です。
検診でむし歯があったら歯科医院に行って治しましょう。
むし歯は小さなうちに削って詰める治療をしなさいと教育されたのではないだろうか。
歯科医師のほとんどもそう教育されたし、
むし歯は感染症で感染した部位を取りきることが正義だと
今現在もほぼ全ての日本人歯科医師がそのように考えていることは間違いない。
しかし、医学の常識は変化する
『むし歯があったのでとりあえず削って詰めといてあげたからね』
などという治療も過去にはあったかもしれない。。。。
『むし歯を取ったら神経が出てきたので根管治療が必要です』
などという治療は日常茶飯事かもしれない。。。。
現状として
症状のない小さな再治療で銀歯や詰め物の下に感染した部位を認めることは多い。
殆どの再治療でそのような状態なのは臨床医なら当たり前だし
自分の再治療を正当化できるとも言える。
修復物の適合が不十分で漏洩したり隙間から再感染したのかもしれないから。
しかし10年以上前に行った治療時に
歯科医師が感染している部位を取り残していたのだとしたらどうだろうか??
経験年数15年の歯科医師でむし歯を13%取り残すと言われている文献もあるが、
そもそもむし歯は取り残してはいけないのか??
現在う蝕病変の発生を防ぐことは、う蝕疾患を管理することを意味している。
既存のう蝕病変については、歯科医は患者とともにそれを管理し、
病変の活動性をコントロールするよう努めるべきである。とされている。
これは、病変を停止/不活性化して歯の硬組織を守り、
修復サイクルの開始を回避し、
可能な限り長期間歯を維持することを意図している。
もしあなたが
むし歯の治療で歯を削って修復してしまえば
修復サイクルがスタートする。
つまりあなたは
歯の喪失へのエレベーターに乗り込んだことを意味するのだ。
臨床的に検出しうるう蝕病変は、
プラークコントロールが適切であれば
どのステージでも
非修復的介入により停止させることができる。
(Nyvad & Fejerskov,1997)
そのためのプロトコールはまだまだ作成するのに時間がかかりそうだ。
物は必ず壊れるので再治療は必要になる。
一生モノなんてないのだから
最初にドリルを手にする歯科医師の責任は重い。
ちなみに保険診療のう蝕処置は180円と決められている。
国が軽く考えている証でしかない。