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むし歯は何処まで削ればいいのか④

むし歯は何処まで削ればいいのか④

 

むし歯のコントロールには非修復的介入修復的介入がある

 

修復的介入は再治療のスパイラルというリスクを伴うため

出来れば非修復的介入で終わらせたいと考えるのが

患者と倫理感のある歯科医師なら当然の心理であろう

 

ミニマムインターベーションという考え方が

2002年FDI(国際歯科連盟)に発表されたが

時間と期間のかかる疾患のコントロールは日本の保険診療にマッチしない。

 

 

日本ではう蝕病変への最小の外科的介入だけがもてはやされ

小さく削って小さく詰めることがMI治療であるかのような風潮がある。

 

ビジネスとして成り立たないことは

正しいことでも広まらないことは真理でもある。

 

 

進行を抑制、もしくは停止させることがう蝕コントロールの目的であるため

 

ブラッシングやフッ化物使用、

食生活などの生活習慣の改善も、う蝕の治療なのです。

 

 

 

 

非修復治療の代表として

奥歯の噛み合わせの面、咬合面の溝を埋める予防処置でシーラントという処置がある。

 

シーラントをするにあたって

溝の中にむし歯菌がいたり、

象牙質がむし歯になっていたら中で

むし歯が進行してしまうから様子を見たほうがいいのか??

みんなよく悩むと思うのだが

 

答えはNOである

 

封鎖が確実であればシーラント下のむし歯は進行しない

というエビデンスは多い。

 

 

 

つまり、シーリングによってむし歯の進行は停止させることはできるが

ラバーダムやレジンの厚みによる機械的強度など

確実な接着と封鎖を獲得することが容易ではないのだ。

 

シーリングもブラッシングできない部位を考慮してシーリングするほうがいい。

ブラッシングしやすい部位にシーリングなど必要ない。

 

エナメル質下の軟化象牙質を残してもいいが

サポートの弱い薄い遊離エナメル質にクラックが入ればむし歯の進行は再開するであろう。

 

非修復的介入は機能的、審美的に問題のない部位であれば

ブラッシングしやすいようにエナメル質を削除することさえも範疇に含んでいる。

 

 

 

つまり、患者さんと歯科衛生士さんによるう蝕のコントロール

口腔衛生習慣を改善しバイオフィルムの除去と再石灰化を行うこと

 

 

歯科医師にしかできないう蝕のコントロールとは

プラークコントロールができない状況を

プラークコントロールがしやすい環境に整えることである。

 

 

 

機械的強度の問題、審美的問題と機能的回復が必要なければ

非修復治療

 

機械的強度の問題を解決し、

審美的回復と機能的回復を必要とする場合には

精密な修復的介入を行うべきだろう