支台築造とパーフォレーション
根管治療が終わっただけでは歯冠が崩壊している場合がほとんどで
根管充填後には修復治療が必要となる。
支台築造は歯冠補綴装置の重要な土台であり
この処置がうまくいかないと
歯根破折や高度に進行した2次う蝕により
抜歯に転記する可能性が高い。
このような重要な処置であるが
保険診療では1,470~3,810円で行わなければならず、
これもまた内容の点検、点数の増点を含め再考する必要がある。
根管治療と修復治療の繋ぎである
支台築造を修復治療と考えるのか?
根管治療と考えるのか?
でスタンスが異なってくる。
これもまた答えはない。
それぞれの歯科医師の考えによって違う。
はじめに言っておくと
個人的には支台築造も根管治療の一環として考え、
90%以上直接法でファイバーポスト&レジンコアを選択している。
そもそも支台築造は
①修復処置を行うための形態回復
②コアの保持
③感染経路の遮断
を考慮して行わなければならない。
ポストを入れることで神経のなくなった歯を補強するなどという考えは
多くの文献で完全に否定され
ポストはコアを保持する為の物で
ポスト入れることで歯牙の補強にはならない(Sorensen)
パーフォレーションと言って歯根を穿孔させてしまう偶発症がある。
感染で根管歯質がなくなっている場合
湾曲した歯根で解剖学的機械的共に限界のため穴が開いてしまう。
間違って開けたくない方向に開けてしまうこともある。
状態が悪ければ抜歯になってしまう。
私も過去に経験したことがあるし
これからも無いとは言い切れない。
Kvinnsland I らは
上顎の歯は下顎の3倍穿孔の可能性があり
穿孔の47%は歯内療法によるもので
53%は補綴治療によるものだったとしている。
私は根管治療を行なって直ぐに
根管のイメージが鮮明なうちに根管形成を行うことで
パーフォレーションのリスクを軽減する。