支台築造のタイミング
良好な根尖性歯周炎の治療と予防のためには
適切な根管充填と良好な補綴治療の両方が重要である(Ray HA,Trope M.1995)
では根管充填後の支台築造はいつおこなえば良いのだろうか。
次の予約枠が空いている時間でいいのか??
Chen Gらの実験では根管充填後①即時②3日後③7日後にポストスペースの準備をして
7日後にポストスペースの準備をした場合が最も根尖への漏洩が少ない。
彼らはポストスペースの準備の前にシーラーの硬化を待つ必要があるとしている。(Chen G,Chang YC.2011)
一方、Grecca FSらは即時と7日後に①バー②ヒートプラガー③ハンドファイルで根管形成を行なって90日観察しているが
時間の経過と共に漏洩はおこっている。
口腔環境にさらされた根管内の細菌侵入を防ぐことはできないので
根管治療を受けた歯の補綴治療がより早く完了するほど根管のシールが失敗する可能性は小さくなるとしている。(Grecca FS et al.2009)
要は ポストスペースの準備、根管形成は根管充填後であっても根管治療の途中なのだ。
それなのに支台築造に間接法を選択すると唾液が根管内に侵入する可能性は限りなく高い。
ラバーダムして型取りするのは非常に困難だろう。
唾液が根管内に入れば根尖の漏洩はおこるかもしれない。
もし間接法で支台築造を行うならシーラーが完全に硬化してから根管形成を行う
根管充填は側方加圧よりも垂直加圧か注入可能な熱可塑化ガッタパーチャ充填の方が漏洩は少ないとされているし
根管形成に関してはガッタパーチャを残す長さや、
ガッタパーチャの除去のやり方によっても漏洩に差がある。。。
多くの支台築造の文献の殆どが根管内に唾液が侵入する前提だった。
無菌的な支台築造を行うのであれば
根管充填後の支台築造のタイミングは
即時だろうが一週間後だろうが時期はたいした問題ではないが
仮封の脱離や再感染のリスクを考慮すれば
回数も少なく、時期も早いに越したことはないと考えている。