他院を中断・転院してきた むし歯治療③
前回のアポイントで『シールドレストレーション』を行い
さらに暫間的な修復を行なっているため
治療途中とはいえ患者は全く困っていない
歯髄の経過をみるその間に歯周基本検査と歯周基本治療を行った。
感染歯質を取り除いているときにエナメル質の薄さを確認できている。
咬頭、つまり歯の噛み合わせで機能する部位が薄くなると『破折』という問題が起こる。
できるだけ歯を残すというコンセプトでも
『長期に残す為に削る』という選択を知らないと残念な結果になる。
咬頭は被覆して修復する方が歯を守り長く保存できる旨を患者に説明し承諾を得た。
咬頭を被覆して修復する方法は2種類ある
① オンレー(部分被覆冠)
② クラウン(全部被覆冠)
今回は①②どちらでも正解であろう。
切削量の問題
クリアランスや維持の問題
材料の硬さの問題
接着の問題
審美的な問題
患者の開口量の問題
全てを満たすマテリアルは存在しないため様々な問題を考慮し
患者のプライオリティを一番に最終選択を提示する。
①のメリットは
フィニッシュラインを大きく歯肉縁上に設定するため
メインテナンス時に問題を発見しやすいことである
フィニッシュラインが歯肉縁上であることは形成や印象でも有利に働く
圧排などの操作も不要になるし、何より処置がしやすく確認もしやすい。
デメリットとしては
審美に要求の高い患者は歯と補綴物のグラデーションが許せないかもしれないし
セラミックスの場合は接着ができる材料でなければならない
その為ガラス系のセラミックスをチョイスせねばならず、
将来的なチッピング(破折)の心配はある
②のメリットは『壊れにくい』これに尽きる
今回は臼歯であるがエナメル質が多く残っている為
E-maxオンレーによる接着修復を選択した。
隣の歯を傷つけないように慎重に
ガタガタなラインをスムーズなラインになるように整えていく
準備ができたので拡大して確認する
全周スムースなフィニッシュラインとエナメル質を認める
精密にシリコーンで印象を行い
テンポラリー(仮歯)を作成して仮着した。
あとは連携している歯科技工士に修復物の作成を頑張ってもらう。
オンレーや接着性修復のデメリットは仮歯が外れやすいことですかね。。