歯科治療の難易度について①
AAE Endodontic Case Difficulty Assessment Form and Guidelines
アメリカ歯内療法学会(AAE )は、歯内治療カリキュラムで使用するための歯内治療困難度評価フォームを設けている
2022年9月1日に更新されたフォームはAAEのウェブサイトで入手できる 。
随分前にこのフォームを初めて見たときにさすがだと感じたことは
A.患者への考慮事項と
B.診断と治療に関する考慮事項が設けられていることである。
患者への考慮事項では、
①アメリカ麻酔学会の定める全身疾患の既往歴
②麻酔ができるかどうか
③患者の性格
④口を開けられる大きさ
⑤吐き気が起こりやすいかどうか
⑥急性症状の状態
についてそれぞれ難易度を考慮する。
個人的には開口量、絞扼反射以外にも、
『口角・狭粘膜の硬さ』と
『舌の大きさや動き』
も歯科治療の難易度に大きく関わると思っている。
つまり歯だけをみて診断して治療開始する前に考慮すべきことがあるということだ。
当たり前のことなんだけど診査できていないときがないだろうか?
自分にも思い当たる節がある。
患者は知らないし、わからない。
治療を開始されたということは、
患者はその歯科医師は『治せる見込みがあると判断した』と思うだろう。
負け試合になれば(治療が想定通りいかなければ)信頼関係は崩れてしまう。
患者を何回も治療に呼んで、治療を行ってみたが
うまくいかないから・・・と抜歯を考慮した経験があるなら、
これからはこのフォームを参考にすれば
最初から紹介や抜歯という判断もできるのかもしれない。