アメリカ歯内療法学会（AAE ）は、歯内治療カリキュラムで使用するための歯内治療困難度評価フォームを設けている

 

2022年９月１日に更新されたフォームはAAEのウェブサイトで入手できる 。

 

難易度は３つのレベルに分けられている。

 

 

LOW DIFFICULTY　低難易度

Preoperative condition indicates routine complexity (uncomplicated). These types of cases would exhibit only those factors listed in the LOW DIFFICULTY category. Achieving a predictable treatment outcome should be attainable by a competent practitioner with limited experience.

術前の状態が日常的な複雑さ（uncomplicated）を示している。

このようなタイプの症例は、「最低難易度」のカテゴリーに記載された要素のみを示すことになる。

予測可能な治療結果を達成することは、経験の浅い有能な施術者でも可能なはずである。

 

MODERATE DIFFICULTY　中程度の難易度

Preoperative condition is complicated, exhibiting one or two factors listed in the MODERATE DIFFICULTY category. Achieving a favorable treatment outcome may be challenging for a competent, experienced practitioner.

術前状態が複雑で、「中程度の困難」のカテゴリーに分類される要素を1つまたは2つ示している。

良好な治療結果を得ることは、有能で経験豊富な施術者にとって困難な場合がある。

 

HIGH DIFFICULTY　高難易度

Preoperative condition is exceptionally complicated, exhibiting three or more factors listed in the MODERATE DIFFICULTY category or at least one in the HIGH DIFFICULTY category. Achieving a favorable treatment outcome may be challenging for even the most experienced practitioner with an extensive history of favorable outcomes.

術前状態が極めて複雑で、中程度の難易度に分類される要因が3つ以上、

または高程度の難易度に分類される要因が少なくとも1つある場合。

良好な治療結果を得ることは、良好な治療実績のある経験豊富な医師であっても困難な場合がある。

 

Review your assessment of each case to determine the level of difficulty. If the level of difficulty exceeds your experience and comfort, you might consider referral to an endodontist.

各症例の評価を見直し、難易度を判断してください。難易度があなたの経験や快適さを超える場合は、歯内療法専門医への紹介を検討するとよい。　

とある。

 

細かな要素は次回に投稿させていただくが

 

歯科医師は皆、今の自分が感じるより少し難しい症例に挑戦しなければならない。

なぜならば

経験のない歯科医師はいつまで経っても未熟なままだからである。

 

私自身も若い頃（今もまだまだ若いとよく言われるが笑）、

保険医のときに多くの経験を積ませていただいた。

 

 

経験はあったとしても自分の立ち位置がわからずに挑んだ無謀な負け試合だったら

歯科治療に困難度のレベルを評価する術が無ければ

歯科医師自身も、

もちろん患者も

何故治療がうまくいったのか、いかなかったのかわからない。

 

残念ながら日本の歯科治療（保険診療）には難易度という概念がない。

なので歯科保険医は“挑戦”ではなく“とりあえずやってみた”

なんてことをよく言う。

 

 

田舎で紹介する医院や専門医がいない

保険だからしょうがない

・・・・

“しょうがない”で済まさないようにしなければならない。

 

倫理観と向上心の難しい問題

 

色々あるだろうが

患者にこちら側の都合も伝えなければ

きちんとした歯科治療はできないのかもしれない