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破折リーマーの除去もさまざま

リーマーが折れて取ることができずに経過を見たが症状がないので修復を入れたら症状が出てしまった患者さん

 

自分が診る前に症状があるからと院長が保険でなんとかしようとして手を出してしまった。

手を出して難易度に気づき、そこから依頼された。

きっと多くの先生がそうなんだろう

 

安く・早くなんとかしてあげたい気持ちも痛いほどわかるが

自分にできるかどうかをもっと考えるべき

条件はどんどん悪くなるだけなので

医院として反省しなければならない

 

 

自分が診察した時には急性症状は緩和してきているが

打診+ ポケットはNomalになっていた

 

 

歯髄診断はPreviously treated

根尖歯周組織診断はAcute apical abscessとした。

 

治療計画を相談する。

前医に補綴を外していいと言われているようである。

 

しかし

6本のブリッジは入れたばかりだ。

出来ればやり直したくない気持ちは痛いほどわかる。

 

 

破折リーマーの除去は条件によって難易度が変わる

 

破折した器具の長さ

破折した器具の太さ

破折した器具の位置

歯根の湾曲度

 

湾曲した歯根で根尖則1/3以上で折れたり太いファイルは除去が難しい

今回はどうだろうか

 

めちゃくちゃ太くて長い。。。

 

ただまっすぐな根管で

ファイルは目視できるだろう。

 

根管内で破折した器具が見える場合の除去成功率は、
見えない場合の約 2 倍と言われている(Nevares et al., 2012)

 

 

 

だとしても取れるだろうか。。。

外科的歯内療法を行うのが一番いいのかもしれない。

 

しかし院長が既にブリッジの裏からなんとかしようと穴を開けている。

幸いポストはない

 

患者もいきなりの外科治療よりも可能性のある保存的な治療を希望したため

時間はかかるだろうが補綴を外さず歯冠則からの再根管治療を行うこととした。

 

患者に告げた治療計画は再根管治療

治療回数は90分を2回だった。

 

後日

浸潤麻酔下で6本のブリッジにラバーダム防湿を行い

根管にアクセスしていった

 

院長が拡大鏡で頑張った形跡を確認しながら進めていく

 

レジンコアをブラックライトとエアー乾燥で確認し

染め出し液で境界を探しながら除去していくと

光る物体が現れた。

 

再根管治療をマイクロスコープなしで行うことは本当に危険極まりない。

もう絶対に絶対にだ

 

 

ファイルの周りを超音波チップで削っていきダンシングさせた。

 

あと水を入れてキャリブレーションで。。。。

 

取れない。。。

 

太くて長すぎるソレはどこかで引っかかっているのだろう

 

 

 

10万円以上もする破折リーマー除去キットなんて持っているはずもなく

即席で引っこ抜くための装置を作成し破折ファイルに引っ掛けたら反時計回りにくるくる・・・

 

クッと引っ張るとそこにもうヤツはいなくなっていた。

 

なぜこんな太いHファイルを使うのか

そしてここで折るのか?

 

安い値段で治療しなければならない根管治療は

早く終わらせなければならない

 

その弊害の代表と言えるのかもしれない

 

 

 

 

1日目はEMRの測定と水酸化カルシウムの貼薬

ご高齢のこの患者さんの体力を考慮して60分で終了した。