このタイプのマウスガードは材料が1枚なので、作製時の加熱吸引及び、咬合調整時に起こる厚みの減少によって十分な予防効果を得られないこともあります。
ただし、逆に全体が厚い材料を用いると、舌側などの違和感を生じやすい部位の調整が難しくなってしまい、さらに成型器は吸引圧が1気圧程度のものが多いために適合性にもやや不安がのこるものになってしまいます。
また、挺出歯などの不正咬合がある場合、全歯の咬合関係が回復できない事もあります。
したがって、使用する症例はよく考えなければなりません。
しかし、バキュームタイプ(吸引型成型器)はコンプレッサーが不要であり、電源があればどこでも作業できるため、グランドや野外などの移動先、マウスガードの紛失や破損時などの急を要する作製には適しているといえるでしょう。
加圧性の成型器でマウスガードを層状に張り合わせることにより、必要な部分の厚みを増すことができます。
中間層にアクリルなどの硬性材、衝撃吸収材を挿入することにより、より衝撃吸収の高いマウスガードを作製する事が可能です。