痛みがなくても深いむし歯がある場合、歯髄にはすでに不可逆性歯髄炎が起きているとも言われています。ですので、大きな虫歯がある時点で必ず歯髄(神経)が守れるとは言えないのです。
むし歯の原因菌である「ミュータンス菌」は1μmで直径3~4μmの象牙細管内に入り込んでいます。
マイクロスコープでは数十μm迄しか確認できませんし、その細菌を全て取りきることもできませんが、う蝕検知液での染色下では象牙細管内にミュータンス菌が入り込んでいることを想像して、感染象牙質の除去を行なっていきます。
図らずも露髄した場合には出血と止血状態にて歯髄感染を予想し、マイクロスコープで歯髄面を観察します。直接覆髄か部分断髄、抜髄を意志決定します。
一般的にはむし歯を除去している時に露髄した場合には、神経を除去します。
しかし私たちあべ歯科クリニックでは、若年者や根未完成歯であれば、不可逆性の歯髄炎でない限り一部歯髄をEr:YAGレーザーにて滅菌蒸散後、止血の確認ができればMTAセメントにて被覆し歯髄保存にTryする事を提案します。
直接覆髄の成功率は50~80%(Ranly DM,et al,J Dent.2000)です。
歯髄保存の一番の目的は根未完成歯の歯根が成長して完成してくれることです。
年齢や感染象牙質の歯髄までの距離によって予後は大きく異なってきます。
特に加齢による歯髄の機能低下、血流量の低下を考慮する必要性があります。
しかし歯根完成歯であったとしても歯髄温存が達成されれば、初回精密根管治療の成功率は90%以上であっても100%ではないというリスクから歯を守ることができます。
治療費 | 44,000円 |
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リスク・副作用 |
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感染歯質の除去、確実なボンディング操作が確実な終了すれば次にレジンを充填します。
気泡が入らないように、スムースな移行面で段差ができないようにレジンペーストを充填していきます。
審美性を上げるため2〜3種類のレジンを何層にも分けて築成します。
コントラクションギャップも小さくなる為辺縁封鎖が高まり2次感染を予防します。
レジンの物性が高まり硬さも臨床に耐えうるようになってきたこと、MIの概念の元、最小の介入で治療期間に関して1日で終わることもできるというメリットもあります。
一番の問題点は術者の技量に影響されやすいということでしょう。
操作の難しい部位や、高い審美性を希望される場合には間接法であるセラミックス修復をお勧めしています。
コンポジットレジン