保険診療とは
日本の歯科医療制度について知っていただくことが、あなたが真にあなたのお口の健康を守っていただくことに繋がります。
保険の範囲内で治療費を安く抑えながらも『良い治療を受けたい』と思われる方は多いと思います。本当にそのようなことが可能なのでしょうか。
保険の範囲外＝自由診療＝高額治療＝贅沢な治療と思われる方も依然として多いようです。比較対象である保険診療が大変安いのですからそのように感じてしまうのかもしれません。
いろいろなものが安く手に入る時代になっているのに、歯の治療費がなぜ安くならないのか考える方もいるのではないでしょうか。
それは今までの日本歯科治療が『歯を守る』本来の医療ではなく銀歯や入れ歯を提供する物販のようなビジネスモデルだったからではないでしょうか。
それでも銀歯や入れ歯を規格化して機械で大量生産し、S/M/Lから選んでもらうこともできません。
医院としては、少ない人員でも良い医療が提供できるよう、社員訓練など様々な努力を重ねています。しかし、歯科治療は外科処置であることと手作業で究極のオーダーメードでもあるが故に機械化された産業のようにはいかないのです。
どんなに効率化やコスト削減を行っても耐震強度が偽装されたマンションを欲しがる人がいないのと同じように、安全や質の限界を下回る治療を希望される方はいないのではないでしょうか？
保険中心の医院はあまりに保険の評価と治療費が低いため、その対策として治療の質を落とすしかありません。
低すぎる保険評価・治療費の対策として質が落ちていく治療の例
歯科の場合、技術や治療の質は直接目に見えないし結果もすぐに出ないため実感していただけないことが多いのです。
逆に言うと、患者さんの目に見える部分だけを良くし、あとは手を抜いたとしても気づかれることはまずありません。
良い歯科治療は審査診断と精密な処置の連続の上に成り立ちます。それには十分な時間が必要であり、
あまりに治療費が安いと時間を短くするしかなくなり治療の質が保証されない、ということにつながります。
確かな処置を行うことによって治療結果が長く維持されるのですが確かな処置にも十分な時間が必要なのです。歯科は内科と違い、数分診断して投薬で終わることなどほとんどありません。
私たちは良い治療をすることで患者さんの歯を守りたいと思っています。歯科医師はそのために存在しています。