メタルフリー治療

メタルフリー治療は白くて綺麗なだけではない利点があります。
従来の歯科治療で良く使われる金属には金属イオンが常に放出されているため、金属アレルギーというとても大きな問題があります。
アクセサリーと違い取り外しができないのでアレルゲンであれば最悪です。

口の中は常に湿った状態の上に酸性、アルカリ性とPHが安定しない環境下であること。
擦れるたびにイオンが激しく放出し歯に染み込むだけでなく、削れた金属は飲み込むことになるのです。

あとはプラーク付着の問題です。
細菌の塊であるプラークはむし歯や歯周病の原因ですが金属イオンによって引き寄せられてしまうのです。
被せ物や詰め物の再治療が多いのは、精度だけでなく材料の問題でもあります。

従来の歯科治療で使われている金属には、水銀でできたアマルガムや金銀パラジウム合金という材料があります。こ れらは唾液で金属イオンが溶け出し、２次むし歯や金属アレルギーになったり、支台歯形成時、歯茎に金属が刺さり沈着（メタルタトゥー）したりする危険性が指摘されています。体の中に重金属が蓄積するという問題もあるのです。

実際、ドイツやスウェーデンなど、諸外国では使用しないように警告されている国があります。しかし、日本では戦後「安価な材料で最低限の治療が受けられればよい」というスタンスで歯科保険制度がスタートしたため、未だ使用が認められているのが現状です。

金属を使わないセラミックスなら、アレルギーの心配が少なく、溶け出すこともないので再感染のリスクも少なくなります。技術や精度だけでなく歯や体にとって良い高品質の材料選択も大切なのです。

金属は耐性があり壊れにくいですが丈夫であるが故に、経年的にセメント又は歯がなくなるという問題が起こったとしても、モノだけが存在し続けてしまうのです。

金属のかぶせが外れたら抜歯しかできないことが非常に多いのはそのためです。逆にセラミックスは歯の支えがなくなると割れてくれます。モノが壊れることで問題を早期に把握できます。モノより身体の方が大事なのです。

モノは作り直すことができますが歯は２度と戻ることはありません。
これらのことを考えると、それしか無かった時代と違い、現在では金属で修復するメリットは限りなく低いのです。